研究課題/領域番号 |
10672243
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
尾方 美智子 香川医科大学, 医学部, 教授 (00228032)
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研究分担者 |
谷 浄江 徳島大学, 医療技術短期大学部, 講師 (60253233)
猪下 光 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30223291)
KISHI KEIKO (IMAI KEIKO) 香川医科大学, 医学部, 教授 (00254558)
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キーワード | 小児心身症 / 摂食障害 / 準備因子 / 誘発因子 / 持続因子 / ボディイメージ / セルフイメージ / 摂食障害傾向 |
研究概要 |
小児心身症予防の効果的介入のための基礎資料を得る目的で、摂食障害児20例を対象に面接調査(準備因子、誘発因子、持続因子)を、また、中学・高校・大学生554名を対象に質問紙調査(ボディイメージ、セルフイメージ、摂食障害傾向)を行った。その結果、準備因子として、個人の性格特性(過度に他人の評価を気にする)、家庭(家族システムを含む)あるいは学校での対人関係の問題が慢性的に持続していた。直接的な誘発因子としては、外面的にはささいなきっかけ(友人からの肥満の指摘、発達段階における要求等)であったが、内面の感情は喪失感、挫折感、自己評価の低下などがあり、抑うつ的で無力感を感じていた。持続因子として、患児が体験する達成感や優越感、空腹感や満腹感などの身体感覚の喪失、肥満恐怖やボディイメージの障害、認知の歪み、自我機能の低下、拒食を通して周囲を振り回す力の誇示(二次的利得)などであった。中学・高校・大学生のボディイメージ、セルフイメージ、摂食障害傾向については、自己の体重を過大に評価する群(過大評価群)は、適性に評価する群(適性評価群)よりも自己閉鎖性が高く、身体に対する評価は低く、摂食障害傾向にあることが明らかになった。特に、中学・高校生女子において、より摂食障害的な態度が顕著であった。以上の結果から予防的視点として、子ども自身が自己の心理・社会的発達課題を成就できるような養育・教育のあり方(母子関係、父子関係、家族・地域・学校での人間関係)が重要であり、ボディイメージ、セルフイメージの形成期の保健指導の必要性について提言した。
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