研究分担者 |
大嶺 ふじ子 琉球大学, 医学部, 講師 (40295308)
伊敷 和枝 琉球大学, 医学部, 教授 (80045228)
小渡 清江 琉球大学, 医学部, 助手 (20295314)
儀間 繼子 琉球大学, 医学部, 助手 (80315473)
河野 伸造 琉球大学, 医学部, 教授 (40041347)
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研究概要 |
妊娠末期・授乳期の骨量を縦断的に測定し,生活の中で二次性骨粗鬆症の発症に関連する危険因子の寄与度を明らかにし,各人について骨量の予想の経過回帰線を作成し,保健指導に応用することを目的に調査を進めているところである。 平成11年現在,調査に協力の得られた妊婦の横断的な骨密度の変化を見ると,妊娠中の骨密度は有意な低下はなかったが,妊娠中期から末期にかけ骨量は減少していた。妊娠初期においてすでに骨量の低い者約5〜6%をめどに追跡調査を実施,又は依頼している。 平成9年度の産後1週時点以降9症例と,平成10年度妊娠末期以降7症例の縦断的測定の調査結果では,横断調査で妊娠前の骨量に回復する産後1年半の時点で,スティフネス値85.57±10.55,MATCH97.09±10.1%とまだ3%近く下回っていた。この時点で体型は,妊娠前に戻り,月経は1例を除いて再開した。 初回の骨量最高者8例(妊娠末期のティフネス値87.8±3.00,MATCH99.06±2.64%)の場合,産後1年半にはスティフネス値90.10±8.17,MATCH99.42±9.87%と0.36%の上昇を認めたが日本人女性の平均値までの回復はなかった。一方,指導群として関わっている骨量低値者7例(妊娠末期のスティフネス値77.5±3.87,MATCH87.2±7.63%)は,1年半の経過の中でスティフネス値81.8±7.76,MATCHが94.36±10.56%で日本人女性平均値には届かないものの,7.1%と高い回復率を示した。行動変容の指標としてみている食品摂取状況では,カルシウム含有食品において毎日摂取(96.1%)が認められたが,摂取がたやすい乳製品による摂取が中心であった。しかし,要指導群では,他の食品も併せて摂取しようと心がけ,カルシウム吸収を助けるビタミンDやマグネシウム含有食品の摂取が徐々に増加し,不十分ながらも自己の健康認識の中に骨の状態を意識する姿勢が認められつつある。
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