研究概要 |
初年度に当たる今年は、当初の計画に沿って、小児がんの看護を5年以上経験した看護婦29名に、ターミナル期のケアにかかわる経験を聞き取りし,現状を把握すると同時に,事例に共通するターミナル・ケアの構成要素を検討した。今回の対象者は、小児がん看護の経験5年から18年の看護婦だったが、ターミナル・ケアへの熟練度からみると、かなりばらつきがあり、それは職位や経験年数とは関係していなかった。どちらにしても、熟練した小児看護ナースを探し出すこと自体が難しいことに改めて気づかされたわけだが、看護婦の熟練度によって、ターミナル期に何を観察するのか、何をケアするのか、家族や医師との関係などが異なっていることから、この熟練度についてもっと検討することが必要だと感じている。というのは、看護婦がどのようなプロセスを経て(経れば)熟練看護婦に育っていくのかがわかれば、そのような環境を作ることによって熟練看護婦を増やし、終局的にターミナル・ケアの質を高めることができるわけで、この点を明らかにするためには、次年度も看護婦の聞き取りを続けることが必要だと考えている。また、次年度は当初の予定通りに子どもをがんで亡くした母親の聞き取りを始めたいと考えている。
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