研究課題/領域番号 |
10672256
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
筒井 真優美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50236915)
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研究分担者 |
込山 洋美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助手 (90298224)
飯村 直子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (80277889)
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キーワード | 小児看護学実習 / 学生 / 質問紙調査 / 看護系大学 / 教員 / 実習内容 / 実習施設 / 実習指導者 |
研究概要 |
前年度に「小児医療の課題と展望」、「実習」、「小児看護」等に関する文献検討を行い、それに基づき小児看護学実習の実態と課題について、看護系大学で小児看護学を担当している教員を対象に質問紙(A)を、小児病棟に勤務する看護者を対象として質問紙(B)を作成した。平成11年度は実際にこれらを用いて調査を実施した。 看護系の学科を持つ全国の大学のうち、まだ実習が始まっていないなどの理由で調査に適さないものを除いた43校に質問紙(A)を送付し、34校から回答を得(回収率79.1%)、表計算ソフトExcelを用いて分析した。記述された内容については内容分析を行った。 大学は子どもの発達段階や病態生理、また家族を理解した上での援助を重視して、実習を行っていた。課題として、患者の絶対数の不足や学生数の多さがあり、教員の負担には大学間の格差があった。また、学生の子どもとの関わりの経験不足もあげられていたが、事前の準備としては技術演習のみで、子どもとのコミュニケーションをとる演習を実施している大学は少なかった。学生の安全対策、感染症対策も不十分であった。 全国の看護系大学から紹介された実習施設の中で、協力すると回答があった43施設の臨床指導者84名に質問紙(B)を送付し、71名から有効回答を得(有効回答回収率84.5%)、質問紙(A)と同様に分析を行った。 指導者は短期間の実習中に学生の気持ちを理解することや、教員、スタッフとの連携に難しさを感じていたり、超過勤務が多くなったりしていたが、実習指導に対する手当を支給されている者はほとんどいなかった。4割の指導者は実習指導に対するフィードバックを得ていないという現状を考えると、指導者のサポート及び育成環境の充実が望まれる。大学側同様、学生実習における感染予防、医療事故対策が早急な課題であると考えられた。
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