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1998 年度 実績報告書

緬羊のエンドトキシン血症による急性肺損傷におけるエンドトキシン吸着療法の効果

研究課題

研究課題/領域番号 10672261
研究機関信州大学

研究代表者

本田 孝行  信州大学, 医学部, 講師 (80238815)

研究分担者 藤井 忠重  信州大学, 医療短期大学部, 教授 (50020780)
芝本 利重  信州大学, 医学部, 助教授 (90178921)
小泉 知展  信州大学, 医学部附属病院, 助手 (20273097)
久保 恵嗣  信州大学, 医学部, 講師 (80143965)
キーワードPMX-F / エンドトキシン / ショック / ガス交換 / 麻酔下緬羊
研究概要

体重30-38kgの全身麻酔下緬羊にE.coli endotoxin(ETX)10μg/kgを30分間で点滴静注し、投与開始と同時にPMX-20R(Toray Medical Co.)にて体外循環(50ml/分)を2時問おこなった。また、対照実験としてETXを同様の方法で投与しPMX-20Rを装着しないで体外循環をおこなった。いずれの群において、経時的に肺および体循環動態、肺リンパ動態、動脈血ガス分析、血中白血球数、各種血管作動物質などを測定した。実験終了時に肺の組織学的検討もおこなった。
ETX単独投与群(n=5)では、投与開始30分後には体血圧(P_<AO>)と心博出量(CO)の著明な低下がみられた。肺動脈圧(P_<PA>)は一過性に著明に上昇し、肺リンパ流量(Q_<lym>)の増加がみられた。末梢血白血球数(WBC)は著明に減少した。動脈血酸素分圧(PaO_2)は低下し、計算により求めたシャント率(Qs/Qt)は増加した。
PMX-20R装着群(n=6)では、ETX単独投与群に比し、ETXにより惹起された、P_<AO>の低下、PaO_2の低下およびQs/Qtの増加が有意に抑制された。しかし、COの低下、P_<PA>の一過性の著増、Q_<lym>の増加およびWBCの減少には有意な差異はなかった。肺胞あたりの好中球(PMN)数に両群で差異はなかった。
以上より、PMX-20RはETXにより惹起されるショックおよび肺でのガス交換を改善することが示唆された。従来、緬羊のみならず人も含めたエンドトキシン血症の際にみられる急性肺損傷(acute lung injury、ALI)にWBC、特にPMNの関与が示唆されてきているが、本研究からは緬羊でのエンドトキシン血症によるALIにPMNの関与は少ないものと推定された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山本洋 他: "ヒツジにおけるEndotoxin shockおよび急性肺損傷に対するDirect Hemoperfusionの検討" Theraputic Research vol19(No.678). 19・10. 3186-3187 (1998)

  • [文献書誌] Hiroshi Yamamoto 他: "Hemoperfusion with polymyxinB immobilized fiber improves shock and hypoxemid induced by endatoxemid in sheep" Am J Respir Crit Cave Med. 発表予定. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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