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1999 年度 実績報告書

生物化学兵器軍縮と産業活動

研究課題

研究課題/領域番号 10680008
研究機関神奈川大学

研究代表者

常石 敬一  神奈川大学, 経営学部, 教授 (00039786)

キーワード生物兵器 / 化学兵器 / CWC / 情報公開 / PRTR / 軍縮
研究概要

1999年度は、旧日本軍の化学兵器工場があった広島県の大久野島におけるヒ素汚染の状況についての調査を精力的に行った。同工場は通常の意味での産業活動ではないが、製造工場であるという点で、またその跡地が汚染されているということで、現代的な問題として取り組んだ。
大久野島のヒ素汚染が明らかとなったのは1996年であるが、調査が進むにつれ汚染が予想以上に広がっていることが判明した。また、大久野島を管理する環境庁では汚染土壌の処理を進めたが、ヒ素だけでなく鉛汚染もあることが明らかとなった。戦前、どのような原料を用いて化学剤を製造していたのかが、軍事秘密の制約もあって十分に分からないことも、処理作業にとってはマイナスとなっている。
これは工場跡地の利用などで今でも、また将来においても起こる可能性がある問題である。こうした問題を起さないようにするためにもCWC(化学兵器禁止条約)の毒物原料管理のシステムが有効だと判断されるが、本年度聞き取り調査を行った事業所について見る限りでは、まだその点の理解は不充分のように判断される。しかし今後はPRTR(化学物質の排出量等の届出制度)なども実施され、こちらは各事業所が提出した情報が公開されるので、CWCの不充分な点を補うことができるのではないかと、期待できる。来年度はその辺に焦点を当てて聞き取り調査を行いたい。特にCWCは強制的な制度だが、PRTRは自主性を前提にしているという違いが、各事業所の取り組みにどのように反映するか注目される。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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