1 大学共同利用機関の成立の経緯についての資料収集 平成10年度は、大学共同利用機関のそれぞれについて成立に関わる資料を収集し、その必要性・必然性を明らかにしようと努めた。特に、共同利用機関の第一号である高エネルギー物理学研究所については、文書資料の収集だけでなく、当時文部省の学術担当審議官であった岡野澄氏にヒアリングをすることができた。 個別機関を調べたのは、大学共同利用機関は統一的な制度として設けられたものではなく、必要に応じそれぞれ個別に設置されてきたものであり、設立の経緯を個別にみていく必要があるからである。 2 大学共同利用機関の組織的特徴 同利用機関の運営はそれぞれの目的に応じて多様である。これを分析し共同利用の機関としての特徴を明らかにするための資料収集に努めた。 3 国立大学の共同利用の附置研究所との対比 国立大学の共同利用型の附置研究所と大学共同利用機関の管理・運営上の問題について機構面と運営面の双方から比較研究を行った。 4 戦前の理化学研究所等との比較研究 わが国の研究所の歴史のなかで理化学研究所の存在は大きい。同研究所は現在の大学共同利用機関の原型ともいえる性質を備えていると考えられる。同研究所や当時の日本学術振興会等との比較研究を行った。
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