研究課題/領域番号 |
10680020
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
出村 慎一 金沢大学, 教育学部, 教授 (20155485)
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研究分担者 |
宮口 尚義 金沢大学, 教育学部, 教授 (50019402)
西嶋 尚彦 筑波大学, 体育学系, 講師 (50202239)
松沢 甚三郎 福井医科大学, 一般教養, 教授 (60042967)
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キーワード | 高齢者 / 日常生活動作(ADL) / 動作成就能力 / 体力 / 健康 / 調査票 |
研究概要 |
高齢者の日常生活動作(activities of daily living:ADL)能力を適切に評価するADL指標を作成するために、文献研究および実際の調査結果に基づく分析を試みた。本研究では、先行研究を参考に、高齢者の日常生活動作をA:移動系、B:操作系、C:平衡系、及びD:姿勢変換系の4領域に分類し、さらに具体的な動作領域として、1.移動・階段昇降・移乗動作、2.起居・姿勢保持動作、3.更衣動作、4.食事動作、5.家事(調理)動作、6.家事(掃除)動作、7.運搬動作、8.入浴動作、9.排泄・整容動作、10.生活関連活動・その他の10動作群を設定した。調査項目は、上述の仮説構造に基づき、移動系動作24動作59項目(難易度の異なる類似動作を含む)、操作系動作21動作36項目、平衡系動作8動作24項目、姿勢変換系動作4動作11項目の合計57動作130項目を選択した。健常な在宅高齢者2100名(男性950名、平均年齢72.4±6.98歳、女性1150名、平均年齢73.2±6.99歳)に対して調査を実施し、各項目の成就率に基づき分析がなされた。手順1として、各項目の成就率、項目相互間の関連性、関連体力要素を手がかりに、57動作(130項目)の中から15動作45項目を選択し、新たに3段階尺度からなる15項目(移動系7項目、操作系2項目、平衡系4項目、姿勢変換系2項目)を作成した。手順2として、これら15項目について、成就率の高さ及び近似性から、理論的な尺度構成と実際の成就率との相違を検討し、評価尺度の修正を行った。手順3として、調査結果および理論的妥当性に基づき、最終的に有効と考えられる調査項目およびその評価尺度を提案した。今後、この調査項目を用いた調査結果に基づき、項目分析、基準関連妥当性、および体力実測値や生活条件との関係の検討を通して、最終的に有効なADL指標を作成する予定である。
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