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2000 年度 実績報告書

巧みな動きの指導に関する運動学的及び心理学的分析

研究課題

研究課題/領域番号 10680021
研究機関愛知教育大学

研究代表者

筒井 清次郎  愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (00175465)

キーワード協応動作 / 両手協応動作 / 観察学習 / モデルスキルレベル / 学習モデル / ストラテジー
研究概要

平成10年度、11年度の研究において、巧みな動きを習得する上で、身体練習を行える場合には観察学習は効果なストラテジーでないことが明らかにされた。観察学習が有効でなかった理由として、提示するモデルの技能レベルが学習者に比べて高すぎたために、有効な情報を得ることができなかったことが考えられる。また、観察学習を身体練習に挿入するスケジュールについても、身体練習と観察学習を交互に見せることによって、視覚的イメージと運動感覚的イメージ間で混乱が生じさせた可能性も考えられる。そこで、平成12年度の研究においては、観察学習におけるモデルの技能レベルと提示スケジュールの効果について検討した。モデルとしては、熟練者の動きを見せる熟練モデルと、初心者が動きを学習していくプロセスを見せる学習モデルの2つを用いた。提示スケジュールとしては、身体練習前に一括してみせる集中提示と、身体練習と観察学習を交互に行う交互提示の2つを用いた。したがって、熟練モデルを集中して観察する熟練集中群、熟練モデルを交互に観察する熟練交互群、学習モデルを集中して観察する学習集中群、学習モデルを交互に観察する学習交互群、および、観察学習を行わず身体練習のみを行う身体練習群の5群を比較した。その結果、学習過程のパフォーマンスにおいても、1週間後の保持テストにおいても、学習集中群が、熟練集中群、熟練交互群、及び、身体練習群よりも有意に優れていた。他には、いずれの群間にも有意な差はみられなかった。このことから、学習モデルを集中して観察することが、学習中のパフォーマンスを高めるだけではなく、持続的な学習効果を高めるうえでも、有効なストラテジーであることが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 塚本茂博: "新しい協応動作習得のためのストラテジー"体育学研究. 44・3. 274-284 (1999)

  • [文献書誌] Seijiro Tsutsui: "Strategies for Acquiring a New Bimanual Coordination Pattern"Journal of Sport & Exercise Psychology. 22supple-ment. S114 (1999)

  • [文献書誌] Seijiro Tsutsui: "Effects of Both Model Skill Levels and Learning Schedules in Observational Learning on Acquiring New Bimanual Relative-phasing Pattern."Journal of Sport & Exercise Psychology. 22supple-ment. S107-S108 (2000)

  • [文献書誌] 筒井清次郎: "Effective Learning Strategies and Schedule for Acquiring New Patterns of Bimanual Coordination"東京都立大学理学部博士論文. 1-118 (2000)

  • [文献書誌] 筒井清次郎: "運動学習研究の課題-運動学習理論の変遷と理論モデルの考え方-"スポーツ心理学研究. 27・1. 19-29 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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