平成12年度は、昨年度までの成果をふまえ、これまでの大学生を対象にした教材開発を中心に、その効果的な展開を中心に検討を加えた。具体的には10種類程度の対人関係能力を必要とする課題(相手の心や体の状況に気づき、適切に対応をしていく運動課題)を、繰り返し実施し、実施前と実施後の行動レベル、認知レベル、性向レベルでの状況の変化や感想などの調査を行った。 また、小学校の「総合的な学習の時間」への対応をも含めた、「体つくりの運動」の「体ほぐしの運動」についての模擬授業を実践し、その検討を加えた。小学生を対象とした授業のこちら側の経験不足と、限られた機会であり、大学生版の多様な内容をかなり凝縮して展開したことなどから、適時性などの問題とも関連して、期待したような成果を十分にあげることはできなかった。しかし小学生でも対人関係能力を盛り込んだ授業展開が十分可能であることがわかた。それらの授業を記録したビデオ映像などの編集を試みているが、まだ完成の段階には至っていない。 これまでの3年間の研究経過に基づく知見を要約し、残された課題を記述した報告書をまとめた。
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