研究課題/領域番号 |
10680033
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
丹 信介 山口大学, 教育学部, 助教授 (00179920)
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研究分担者 |
曽根 涼子 山口大学, 教育学部, 講師 (50271078)
西保 岳 山口大学, 医学部, 助教授 (90237751)
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キーワード | 自発走運動 / ストレス / c-fos / 血圧 / 心拍数 / 脳 / ラット |
研究概要 |
本研究では、継続的な自発走運動が、運動とは異なるストレスを負荷した時の循環反応ならびに脳内神経活動にどのような影響を及ぼすかという点について検討した。脳内の神経細胞の活動性の程度は、各脳部位でのc-fosの発現の程度を指標に評価を試みた。 実験には5週齢のラットを用い、自発走運動群(5匹)と対照群(5匹)の2群に分けた。自発走運動群のラットは回転車付きケージで、対照群のラットは通常のケージでそれぞれ11週間飼育し、両群の一部のラット(各群3匹)には、飼育6週目にそれぞれ血圧測定用の送信器を植え込む手術を行なった。自発走運動群の11週間の平均走行距離は、3246±1291m/日であり、飼育期間終了時の体重は、自発走運動群の方が対照群より少なかった(運動群:467±44g、対照群:514±44g)。飼育期間終了後に、金網でできた固定器の中に、両群のラットを1時間入れる拘束ストレスを負荷した。一部のラットについては、その際の血圧、心拍数の変化をテレメトリーシステムを用いて無麻酔、無拘束の状態で測定した。その結果、拘束ストレスを負荷した時の心拍数の増加反応は、自発走運動群の方が対照群より少ない傾向を示した(30分目:運動群412±64拍/分、対照群463±25拍/分、60分目:運動群376±84拍/分、対照群402±14拍/分)。ストレス負荷終了60分後に、両群のラットの脳を潅流固定し、固定した脳を用いて脳切片を作成し、浮遊法によるc-fos抗体を用いた免疫組織化学的染色に供し、各脳部位でのc-fosの発現を同定した。視床下部室傍核では、c-fosの発現が認められたが、自発走運動群と対照群との間で発現の程度に差が認められるかどうかの詳細は、現在検討中である。また、他の脳部位(延髄の孤束核、腹外側核など)のc-fosの発現についても現在検討中である。
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