研究課題/領域番号 |
10680037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
熊谷 秋三 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (80145193)
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研究分担者 |
中村 友浩 大阪工業大学, 一般教育科, 講師 (30217872)
勝田 茂 筑波大学, 体育科学系, 教授 (70038446)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 速筋優位ラット / 高脂肪食負荷 / 筋線維組成 / 脂肪蓄積 / 酸化系酵素活性 |
研究概要 |
(平成10年度) 遺伝的に生じた筋線維組成の違いとインスリン感受性、脂肪蓄積、および活動量との関係についてFFDRとCRを用いて検討した。その主な結果は以下の通りであった。(1)体重、復腔内脂肪量には有意差を認めなかった。(2)筋量に関しては、FFDRのヒラメ筋重量がCR群に比べ有意に高値を示したが、その他の筋では有意差を認めなかった。(3)筋組成に関しては、FFDRはCRよりも腓腹筋およびヒラメ筋の%Type1線維が有意に低値を示し、また腓腹筋の%Type2B線維およびヒラメ筋の%Type2A線維が有意に高値を示した。(4)毛細血管分布には有意差を認めなかった。(5)両群の血漿インスリン、グルコース濃度およびGIRには、有意差を認めなかった。自発活動量は(週間走行距離、累積走行距離)、FFDRが有意に高値を認めた。なお、有意差は9週令でのみ認めた。本研究では筋線維組成の違いがインスリン感受性や脂肪蓄積に影響を及ぼしていることを見いだすことはできなかった。この理由として、毛細血管分布に差が認められなかったこと、活動量の違いが筋線維組成の違いを補償していたこと、および被検道物が若齢(8-9週令)であったことなどが考えられた。 (平成11年度) FFDRとCRに6週間の高脂肪食または低脂肪食を負荷したところ、以下のような成績を認めた。 (1)腓腹筋の筋線維組成および腓腹筋線維横断面積比は、FFDRがCRに対してType1線維では低値を、Type2DX線維では高値を示した。(2)4群間に摂食量には有意な差が認められなったにも関わらず、高脂肪食負荷されたFFDR群の体重、体重増加量、および腹腔内脂肪量は、CR群に高脂肪食を負荷した場合に比べ、有意に低かった。(3)さらに、摂食効率(体重増加量/摂食量)には、CH群が他群に比べ有意な高値を認めた。(4)筋重量は、腓腹筋ではCHがFL、FHに対して高値を示し、ヒラメ筋、足底筋では有意差は認められなった。(5)腓腹筋では、Type2AおよびType2DX線維はType1線維よりもSDH活性が高かった。これらの結果から、CRとFFDRの肥満耐性の差は、筋線維の酸化能の違いによるものと考えられた。
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