研究概要 |
本研究では,平成8年1月に茨城県阿見町に居住している65歳以上の高齢者全員を対象に実施した高齢者健康調査のデータを活用し,さらに研究を発展させるため,3つの大きな目標を設けている。そのうち,初年度には,以前作成した健康指標の信頼性・妥当性の検討を行った。そして,今年度は,追跡調査を実施し,縦断的なデータをもとに健康度の推移と健康度の変化に影響を及ぼす要因の強さを検討することを目標とした。しかしながら,この研究計画は,調査の実施に協カしていただく阿見町総合健康福祉会館,および阿見町食生活改善推進員の方々の都合により,調査の実施予定が遅れている。調査は,平成12年4月に実施する予定となっており,すでに調査票の印刷,および調査対象者の名薄の整理等を行い,まもなく調査員に対する実施説明会を開催するなど,現在,調査の準備を進めているところである。 調査対象者である65歳以上の高齢者数は,平成8年には約5500名であったのに対し,平成12年には約6300名に増加しており,高齢化の急速な進展がうかがえている。また,今回の調査の実施とは別に,平成8年に実施した調査データをもとに現在の生存の有無を確認し,追加する作業を行っている。この作業は研究計画の段階には含まれていなかったものであるが,この作業をすることにより,様々な生活習慣をしていた者のうちどのような生活習慣をしていた者が現在も生存しているかを詳細に分析することが可能である。その分析により,それぞれの生活習債の状況が死亡率に及ぼす影響をOdds比の値をもとに解析することが可能であり,各生活習慣の影響の強さを客観的に評価することができる。この研究成果は,4月の調査の実施とは別に得られるものであり,現在急いで分析を進めている。大きな研究成果が期待される。
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