最初に、本調査データ(866名 : 30歳〜60歳)に対して「半健康多次元基準」に基く半健康判別を行い、対象を半健康群369名、健常群517名に識別した。次に自覚症状、意識・行動項目各々に主成分分析法を適用し、固有ベクトル値等から各第1主成分に解釈を加え半健康の状態量的多次元空間の構成尺度とした。形態・機能、既往症項目も加味し3次元空間上で主観性、方向性と解釈される三相の布置特性を見い出し、半健康の状態評価として8特性パターンを得た。さらに半健康判別の寄与要因を分析するため意識行動度等6変数を要因群とした林の数量II類を施した結果、既往症度、意識行動度、血圧度等比較的情報収集が容易で判定基準も簡単な要因の寄与が大きいことが判明した。最後に数量化II類のサンプル数量から半健康判別を可能にする線形一次結合式を導出し指数化を図った。このような評価の構造化の適用と判別に寄与する指数の導入により、多次元包括的な半健康度の評価が可能になった。また、半健康度の測定・処理を対話的に遂行できるコンピュータ・プログラムを開発した。汎用性を重視しOSとしてWindows98、プログラム言語としてVisual Basicを採用しプログラムを編集した。データ入力から結果出力まで自動処理が可能なプログラムは次のような処理ステップから構成された。(1)データ入力ステップ : (1)調査票選択(2)属性データ入力(3)形態・機能データ入力(4)意識・行動データ入力(5)自覚症状データ入力。(2)分析処理ステップ : コンピュータ内部の演算処理過程。(3)結果表示ステップ : 分析結果表示、半健康度情報取得、データ保存等。このように、半健康度の多次元構成尺度視点からの総合評価や対話的なコンピュータ処理の自動化が可能になったことで、「半健康度総合評価システムの開発」という本課題の目的は充分に達成されたものと考える。
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