研究概要 |
本研究は、中高年者を対象とした運動奨励指導に際して、運動指導を行った場合と自由に行わせた場合とで、健康・体力指標ならびにその後の運動習慣の獲得に差が現れるかどうかを検証しようとするものである。本年度は、所沢キャンパス周辺の約2万3千世帯を対象として「健康づくりモニター」と題するチラシを配布し被験者を募集し、「ウォーキング」を題材とした介入の効果を検証した。介入としては、a)2時間の説明講習、b)歩数計提供・ウォーキング日誌、c)ウォーキングシューズの提供、d)体力・歩行能力測定、e)週一回の教室の5種を用意した。被験者の希望に応じて、a〜e全てを行う群(A群:30名)、a,b,c.dを行う群(B群:30名)、a,bだけを行う群(C群:48名)に分けた。対照群として、x)2時間の健康づくり講習、y)血圧計提供・血圧日誌記入、という介入を行う群(D群=24名)を用意した。介入前の日間歩行歩数(日歩数)には群間に差はなかったが、介入期間中はC-D間を除く全ての群間に差があり、平均でA群:11766歩、B群:9891歩、C群:9054歩、D群:9035歩となった。このことから、身体活動量を増加させるための介入として「運動指導」の効果は高いことがわかった。来年度は、介入終了後の変化を観察してその定着効果の差を検証する予定である。
|