研究課題/領域番号 |
10680060
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中村 好男 早稲田大学, 人間科学部, 助教授 (00198251)
|
研究分担者 |
中島 葉子 早稲田大学, 人間科学部, 助手 (90301837)
村岡 功 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (80112712)
|
キーワード | 運動習慣 / 身体活動度 / ウォーキング / 健康 / 体力 |
研究概要 |
昨年度は、所沢・大学周辺住民に対して戸配チラシによって「健康モニター」参加者を募集し、ウォーキング教室群(A群)28名・自発歩行群(B群)30名・血圧モニター群(C群)22名を対象として介入実験を行い、身体活動量を増加させるための介入として「運動指導」の効果が高いことを見出した。本年度は同被験者に対して引き続き4ヶ月後および12ヶ月後に追跡調査を実施して、その活動習慣の定着に及ぼす「統制運動」と「自由運動」との効果の差異を検証した。また、A群については、介入5、6週目のウォーキング教室行程中の歩行歩数を計測し、同日の日歩数から差し引くことによって教室開催日の自発歩行歩数を算出した。 A群における教室開催日の日歩数は16191±3988歩であり、非開催日の日歩数(11719±3454歩)よりも有意に高かったが、教室中の歩行歩数(9025±584歩)を差し引いた自発歩行歩数(7166±3892歩)は、時間補正を行ってもなお非教室開催日の日歩数よりも有意に低値を示した。ただし、教室開催日の自発歩行歩数と介入前の日歩数との間には有意な差は認められなかった。介入終了4ヶ月後の日歩数は、A群11487±4057歩、B群9564±2545歩、C群9070±3485歩であり、A、B両群共に介入前と比較し有意な高値を維持していた。また、介入終了12ヶ月後においてもこの傾向は維持された。 以上の結果から、ウォーキング教室への参加は同日の自発歩行を抑制する効果があるとはいえ、「健康モニター」という介入によって高められた非教室開催日の自発的歩行量の増加を減じるわけではなく、この自発的歩行量の増加が介入終了後における歩行習慣の維持の一助となったことが示唆された。
|