研究課題/領域番号 |
10680065
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研究機関 | 大阪体育大学 |
研究代表者 |
増原 光彦 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (40067236)
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研究分担者 |
上 勝也 大阪体育大学, 体育学部, 助教授 (20204612)
梅林 薫 大阪体育大学, 体育学部, 助教授 (30148473)
滝瀬 定文 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (30067251)
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キーワード | 細胞性免疫 / 筋収縮 / 全身持久能力 / リンパ球幼若化反応 / インターロイキン |
研究概要 |
長寿者が極力他人の力を借りずに生命を全うする能力を持ち合わせるための環境づくりをスポーツ科学的アプローチから提案する。健やかな長寿を全うするには、特に免疫機能の維持とその改善が重要な要素と考えた。そこで、2年継続の昨年は高齢者の免疫応答に焦点を当てて、高齢者に運動メニューを与え、その運動による細胞性免疫応答と生理活性物資であるインターロイキンなどの変化について検討し、若齢期から運動を実施している高齢者と高齢者になってから運動を開始した高齢者の免疫応答の比較を検討した。引き続き本年度は、昨年の追加実験を約10名の男性被検者を対象に行うとともに、昨年の結果を元に高脂血症のラットを用い、動物モデルから生活習慣病と運動処方そして免疫機能の関係を検討する。 その結果を以下に述べる。 1.体力は加齢と共に低下することは、衆知の事実であるが、筋力と全身持久能力を比較すると、筋力の一つの代表値である握力は、加齢に伴い有意に低下する(p<0.05)が、全身持久能力の一つの指標とみなされるPWC85%HRmaxは、有意には低下せず、日頃の運動習慣の影響を受け易い。 2.高齢者の握力と血清総蛋白量及び細胞性免疫応答の一つの指標となるリンパ球サブセットであるCD4と有意な相関を認めた(それぞれ、p<0.05,p<0.01)。すなわち、細胞性免疫応答が生体蛋白量そして筋構成蛋白要素及び筋収縮どの間に何らかの関係が存在することを示唆するものである。 3.また血中中性脂肪がCD8と有意な相関関係(P<0.05)を認め、高脂血漿がサプレッサーリンパ球を増加させる傾向があることを認めた。 4.そこで、高脂血漿ラットにおけるリンパ球幼若化反応(PHA)及びインターロイキンI,IIを分析した結果、両者と血中脂質との間に関係を見るに至らなかった。 5.ラットに20m/minの速度で1時間トレッドミル・ランニングを実施した後のPHA幼若化反応を測定したところ、運動前に比較して、著しく低下した(p<0.05)。
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