研究概要 |
本研究は日本のジャンパーの踏み切り後の動作に対する空気力学モデルを用いて明らかにし,ジャンパーの運動の特徴と空気力学量との関係を分析した.平成10年度はジャンプ競技中の運動を中心に力学モデルを用いて分析した. 1. ジャンプ台における分析 動作の記録に高速ビデオカメラ(毎秒240)を使用し,札幌市大倉山でのワールドカップの競技中の踏切動作と白馬における全日本選手権での競技中の踏切動作とこれに続く空中動作を力学的に解析した.W杯ジャンプ競技では世界の一流選手も分析の対象として成績上位者を分析した結果, (1) 空中初期における空気力学量の変化は周期性を持つ. (2) 周期性はある周期へと収束する傾向を示した. (3) 抵抗力についてのこの傾向は特に顕著である. 以上3つの力学的傾向が明らかになった. 今後は空中初期の動作と踏切動作との関連,さらに引き続いて発生している空中での力の周期性と周波数の取り扱いを考える必要が生じた.しかし,本資料の結果は選手の技術指導に対して有効と考えられる.
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