研究課題/領域番号 |
10680070
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研究機関 | 千葉経済大学短期大学部 |
研究代表者 |
大沼 徹 千葉経済大学短期大学部, 初等教育科, 教授 (70261089)
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研究分担者 |
中村 俊康 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師
及川 研 東京学芸大学, 教育学部, 講師
三上 修二 千葉経済大学短期大学部, 初等教育科, 教授
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キーワード | スポーツ傷害 / 野球 / 打撃スキル / 感電ゴムセンサー |
研究概要 |
1.今年度の実験では、被験者としてグリップエンドを握り込むタイプの打者(プロ選手、社会人選手、外国人選手を含む)を計画していたが、協力を依頼していたプロ選手の協力が得られなくなったことや外国人選手の場合もセンサーによる計測はキャンセルされたため、社会人選手についての計測のみ実施できた。 まず、実際にバットを握った状態での、バットのグリップエンド表面と有鉤骨との実際の距離を測定するために、CTスキャン撮影を行った。この後、昨年度までに改良を加え小型化した圧力センサーを装着して、水平に静止させた状態で握ったバットにボールを衝突させた場合と実際に投球を打った場合のそれぞれについて、手掌部(特に有鉤骨部分)にかかる圧力を測定した。 上記の計測から、ボールの衝突位置が、バットのスイートスポットから上下や左右にずれている場合や、グリップエンドを握り込んだ場合とそうでない場合に、手掌部にかかる圧力にどのような差異があるかを調べるとともに、静止状態と実際の打撃場面における計測値の比較を行うが、上記のような事情で実験実施が3月になってしまったため、現在のところまだ分析作業の途中である。 2.外国人選手(キューバナショナルチーム)及び全日本チームの選手に関しては、試合中における打撃を高速度ビデオ撮影している。この資料からバット運動記述し、この運動を引き起こすための手掌部からの力の作用の仕方を推論することができる。これにより、様々なタイプの打者・打球について反作用としての手掌部にかかる圧力を推論することができる。このことがある程度の精度で可能となるためには、圧力センサーによる測定値とバット運動から推論した手掌部にかかる圧力との関係を検討する必要がある。これらの分析と検討を現在行っている。これらの分析により、あるバット運動を生み出す身体の使い方、特に振り出し時の慣性の処理の仕方の差違の理解を深めることも可能となる。
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