研究概要 |
ラットの摘出潅流肺標本による実験 ・運動トレーニングは,低酸素性肺血管収縮を抑制した.この抑制には,一酸化窒素(NO)が関与した. ・低酸素換気と肺血流量増加を同時に負荷し,高地肺水腫モデルを作成した.その結果,高地肺水腫の発症は,運動トレーニングおよび高地運動トレーニングにより抑制され,平地より高地運動トレーニングの方が抑制された. ・高地滞在低地トレーニングラットは,肺血流量の増加に対する肺循環抵抗の増大を抑制した.この抑制には,NOの放出促進が関与した. 上記の内容は,1999年2月に高所トレーニング国際シンポジウムで発表した. カテーテル挿入実験 ・運動トレーニングラットは,Norepinephrineによる肺動脈圧上昇反応を抑制し,NO放出促進が関与した.内容は,1999年10月日本運動生理学会で発表した. 摘出血管による実験 ・運動トレーニングにおいて,Norepinephrine,Phenylephrineによる肺動脈収縮は抑制されたが,内皮細胞剥離後では,この収縮抑制は解除された.また,Acetylcholineによる弛緩反応は促進した.運動トレーニングによる肺血管圧には,NO放出促進が関与していることがわかった.この結果は,Acta Physiol Scandによる投稿中である.
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