本研究では、1992年の改革がフランスの地域農業にどのようなインパクトを与えたかを、毎年公表される地域農業統計および減反に係わる統計資料の整理を通じて、とくに地域選択的な作用に焦点をあてつつ解明することとした。本年度は、研究計画の中間年度にあたるため、統計資料の整理と分析・図化作業を中心に進めた。作業内容は以下の通りである。 1.基本統計資料の整理として、1988年(最も近い農業センサス実施年)以降における土地利用ならびに農業生産に関する統計資料を、主として県別に(場合によっては農業地域別あるいはカントン別に)整理した。 2.改革初年度の1993年以降における、COP作物のそれぞれに対する休耕実績を、県別統計資料にもとづいて整理した。また、その動向に地域的特色が顕著に見られる項目について、地図化するなどの作業に基づき考察を行った。 3.さらに、補助的な作業として、近年におけるEU共通農業政策の動向と地域農業システムの変容に関する文献資料類を、EU資料センターなどで収集・検討した。 4.全国スケールでの検討と並行して、地域スケールでの分析を行いつつある。事例的に取りあげる地域は、ノール地方とラングドック地方である。
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