研究分担者 |
鍋島 祥郎 広島大学, 教育学部, 助教授 (40240832)
由井 義通 広島大学, 教育学部, 助教授 (80243525)
水内 俊雄 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (60181880)
大場 茂明 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (10185366)
小玉 徹 大阪市立大学, 文学部, 教授 (00170267)
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研究概要 |
7月に最初の全体研究会を開き,本年度は大阪府を対象として,同和事業の歴史と同和事業の最大の効果をもたらしたといわれる住環境整備事業のプロセスと現在の達成点をきっちり確認するという作業を行なうことにし,各自に決められた役割分担を遂行した。年表形式に整理しており,大阪府の同和事業政策史,及び住環境整備事業の地区別進行状況と住宅建設数の推移についても資料蓄積を行なった。またまちづくりという概念が同和地区の住環境整備にいつごろから導入されたかという観点から,大阪府の西成地区,浅香地区,日之出地区で聞取り及び資料収集を行ない,また同和地区内で,建築的価値のある明治期の建造物保存運動を通じて,まちづくり運動を盛り立てていった京都市の崇仁地区においても聞き取り及び資料収集を行なった。全体的作業の結果については,水内が「住環境改善からみた同和事業の歴史と現状」というレポートにおいて,住環境整備事業の進行状況の全国的特質を分析し,その事業の政治的側面まで踏み込んだものとして,Mizuuchiが“Private struggles,public supports:Rehabilitating Japanese minority community,Buraku"を著した。また同和の住環境と深く関係する公営住宅については,由井が『地理学におけるハウジング研究』(大明堂)を刊行し,また国家の住宅政策の特質を欧米と比較した比較住宅政策史についても,小玉,大場がそれぞれ研究を深めた。
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