1950年から95年までのコーホート別の移動歴を構築して、コーホートごとの移動パターンを分析し、1950年以降の日本の国内人口移動パターンの変化とその人口分布への影響についての、新しい解釈を模索することを目的とする本研究の初年度は主としてデータベースの整備を行った。具体的には、1950年から1995年までの5年を1期間とする9期の、(1)都道府県別、男女・年齢5歳階級別の人口数、(2)都道府県別、男女・年齢5歳階級別の生命表人口数(Px) (3)都道府県間人口移動者数を、それぞれコンピュータにインプットしてデータベースを作成した。さらに、コンピュータにインプットされたデータのなかの、都道府県別、男女・年齢5歳階級別の生命表人口数(Px)から、9期間の都道府県別、男女・年齢5歳階級別の生残率を算定するとともに、都道府県別、男女・年齢5歳階級別人口移動率と生残率を使用して、生残率前進法(foward survival ratio method)によって、1950年から1995年までの5年を1期間とする9期のそれぞれの、都道府県別、男女・年齢5歳階別の純移動数と純移動率を求めるとともに、コーホート別の移動歴を1950年に10歳に達していたコーホートについて作成した。また次年度の研究予定である、コーホート別の純移動率からみた移動歴パターン分析の補強材料とするために、東京大都市圏内および大阪大都市圏内の各都府県ならびに福岡県が行った、人口移動動向の調査結果を収集した。
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