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2000 年度 研究成果報告書概要

近世新田開発の一類型・房総の川廻し新田の地形および文書による復元

研究課題

研究課題/領域番号 10680094
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 人文地理学
研究機関千葉県立中央博物館

研究代表者

吉村 光敏  千葉県立中央博物館, 地学研究科, 科長 (80250132)

研究期間 (年度) 1998 – 2000
キーワード人工地形 / 地形改変 / 川廻し / 新田開発 / 曲流短絡 / 穿入曲流
研究概要

「川廻し新田」とは、房総丘陵を特徴づける景観で、穿入曲流した川をトンネルや切通しで短縮し、旧河道を水田化した、江戸時代中期~明治時代初期の新田である。従来、一部地域しか所在が調査されていず、造成される地形についても分類や形態記載が不十分であった。
この調査により以下のことが明らかとなった。
1.地形と古文書の調査により、房総丘陵全域におけるその所在が判明し、450箇所に存在することが分かった。
2.川廻し地形にも、従来の水田開発用タイプの他に、林業用、交通用等いろいろのタイプがあること、また、水田開発用川廻しにより造成される、各種の人工特殊地形を定義し、名称をつけた。
3.特に、従来知られていなかった、人工川廻し地形として、カワカミ段丘・カワシモ段丘があることが分かった。
4.古文書と伝承の調査により、川廻しの開発者について、従来知られていた例は、江戸時代中期のやや大型の川廻しが、村単位の開発であった例のみであったが、今回の調査で、江戸時代後期・明治時代初期になると、川廻し工事は、各村の富農(単独あるいは連名)、あるいは、川沿いの農家(土地所有者)により行われていることが分かった。
5.古文書と伝承の調査により、川廻しの費用、工法、労働力などについて、個々の川廻し工事は、多額の投資と年月を要して行われ、専門的な技術者も存在していたことがわかり、造成にかかった費用や時間、技術者など、開発の内容についても、その大略が判明した。
6.川廻し地形の現地観察と聞取り調査により、川廻し地形を、洪水水位との関連で見ると、洪水水位(5~10年程度)に対応した造成を行うとともに、作業量が最小限になるような造成を行っていることが分かった。具体的には、シンカワ水路を、直線的・U字溝状に作成、水田面の比高・トンネル入口高さを洪水水位を越えるよう設定、トンネル出口の川幅を拡張することで水位を下げる等の工夫がなされている事がわかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 1999 その他

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 吉村光敏 川廻し新田における洪水被害軽減のための工夫19991999

    • 著者名/発表者名
      吉村光敏
    • 学会等名
      第42回歴史地理学会
    • 発表場所
      法政大学
    • 年月日
      1999-09-15
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] Some Knowledges against to Flood Flow deduced from Landforms of "Kawamawashi Ricefield"1999

    • 著者名/発表者名
      Yoshimura Mitutoshi
    • 学会等名
      The 42th Symposium, Japan Association of Historical Geography
    • 発表場所
      Hosei University
    • 年月日
      1999-09-15
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] 勝浦市史通史編 第5章土地の人とのかかわり第1節 川廻し新田と川廻し地形 p45-532006

    • 著者名/発表者名
      吉村光敏
    • 出版者
      勝浦市発行
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [備考] 「研究成果報告書概要(和文)」より

    • URL

      http://chibataki.poo.gs/2001tomonokai/kawamawasi/kawamatop.htm

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公開日: 2011-06-18  

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