研究概要 |
1.テフロクロノロジーに基づく河成礫層および古環境復元の精査 十勝平野南部において諸河川の段丘礫層およびテフラの精査を実施した. 楽古川の海食崖において新たにAafa-4,Sns,K-chテフラを同定し,十勝平野においてこれらの火山灰層序を確立するとともに,年代学的意義ならびに最終間氷以降の海水準変動への意義について検討した.日高山脈起源の風成塵の量的検討および,その供給を可能にする古(ツンドラ)環境の評価に関わる野外資料の観察・記載をおこなった. 2.現河床堆積物の地形学的・水文学的調査 現河床礫,数層準の段丘礫について砂礫の粒度組成調査を札内川で実施した.1947年米軍撮影の航空写真判読によって当時の河床を復元するとともに河床砂礫の粒度分析調査,堆積状況の精密な記載を実施した.これらのデータに基づいて陸水物理学的解析を行った. 3.人為環境変動の調査 人間活動(森林伐採:開墾)によって水文・地形・土壌環境が劇的に急変していることを示す地形,堆積物および葦群落について現地調査をおこなった. 4.山岳永久凍土環境の調査 日高山脈において現地調査を実施した.ポロシリ岳〜トッタベツ岳周辺において,昨年度設置した簡易温度計20台から観測資料を回収し,通年の気温資料を得た.気温観測は引き続き実施されている.
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