研究概要 |
1.テフロクロノロジーに基づいて,十勝平野南部の諸河川の段丘地形および段丘礫層の精査を行い,酸素同位体比ステージ5〜3の河川の堆積・侵食史を数千年〜1万年の時間精度で確立した. 2.日高山脈起源の風成塵の量的検討および,その供給を可能にする自然(ツンドラ)環境の評価を検討した:氷期には日高山脈起源の細粒物質が十勝平野に大量に供給されていた. 3.現河床礫について、札内川の現河床および、それらが段丘化した層準において、粒度組成調査を現地で行った.このデータに基づいて,氷期の河川の剪断応力を復元し,氷期の古水文環境を論じた:氷期の河川の流量は,現在に比べて大きかったとは言えず,氷期の堆積の主因は融雪洪水・山域の土砂供給にあった解釈された. 4.幌尻岳周辺域について空中写真判読を繰り返し,岩石氷河の可能性のある堆積地形を認め,山岳永久凍土環境に関する検討を行った.さらに,地温,気温を観測し,現在の凍土環境に関する資料を得た. 5.十勝平野北西部山麓における化石周氷河現象の記載資料から,氷期の永久凍土環境を再検討した.
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