サハラ砂漠南縁の半乾燥地帯、サヘル(ニジェール)において、土壌水分・葉面積指数の現場観測を平成10年度以前の3年間の観測とあわせて計4年間継続している。それらの陸面状態データと同地点の地上気象観測データを統合し、基礎データセットを作成した。 そこで、そのデータセットの時系列解析を行い、「雨→土壌水分→植物活動」という季節変化におけるタイムラグの存在を確認した。さらに、短い雨季の雨の多寡で形成された根域の土壌水分の平年からの偏差は、引き続く乾季にしばらく維持されるが、次第に減衰して雨季の終わりにはほとんど解消することが分かった。また、地上気象データを入力とする物理的モデルと統計的モデルにより、土壌水分の季節変化をある程度再現することができた。 しかしがら、ニジェール、ニアメイの上層気象データは入手したものの、編集・解析が進んでおらず、陸面状態の偏差が大気混合層に及ぼす影響をについては、来年度の調査事項となった。
|