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1998 年度 実績報告書

考古遺跡の断層変位に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10680104
研究機関東洋大学

研究代表者

渡辺 満久  東洋大学, 文学部, 助教授 (30222409)

キーワード活断層 / 考古遺跡 / 古地震
研究概要

高田平野西縁・長野県野沢村・三重県員弁郡北勢町を調査対象地域として,空中写真判読・現地調査を実施した.その成果・経過は以下の通りである.
高田平野西縁部においては,海成段丘面(愛の風面・平山面)に顕著な撓曲変形がある.平山面構成層最上部に狭在する花房軽石(HB)のTL年代測定を試みたが,石英の純度が悪く良い成果は得られなかった.この撓曲帯に位置する大塚遺跡周辺において,平山面より古い愛の風面構成層が東へ急斜〜直立しており,かつての生活面は10度程度以上東へ傾いている.
長野県飯山盆地の北東部に存在する重地原断層の北方延長の,千曲川が形成した低位段丘面には,重地原断層周辺の変位地形と同じような背斜状の高まりが形成されている.ここでは,縄文時代後期の東原遺跡(野沢村)が立地しており,東原遺跡の生活面はほぼ水平〜東へ最大で10度程度傾斜している.
養老山地西部の北勢-多度撓曲は,その北西端付近において,員弁川・鎌田川が極めて新しい時代に形成したと推定される河成段丘面を変位させている.この河成段丘面上に飛鳥時代の上惣作遺跡が立地しており,その生活面には南西方向に顕著に傾斜する部分がある.
いずれの遺跡の生活面も,かつてはほぼ水平であったと考えられる.現在の異常な傾斜は,変位地形に見られる特徴と調和的であり,これらの生活面は最近の断層運動によって変形したと考えられる.今後,年代資料や遺跡報告書などをもとに,断層の単位変位量・平均的な活動間隔などに関してさらに詳しく検討する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 早津賢二,渡辺満久,新井君夫,望月静雄: "飯山盆地における縄文時代後期生活面の断層変位" 地学雑誌. 108. 76-84 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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