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1999 年度 実績報告書

色素の光退色-光化学反応性と耐光堅牢度を結びつける試み-

研究課題

研究課題/領域番号 10680108
研究機関東京学芸大学

研究代表者

生野 晴美  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80110732)

キーワード色差 / 閾値 / 色素濃度 / 青
研究概要

青については、ブルースケールに使用されているAcid Blue 83水溶液の光退色過程を、可視吸収スペクトルとL^*a^*b^*表色値の測定および視感判定により追跡し、光照射によって発生した色差を識別する閾値と、それに対応する退色率および色素濃度差との関係を検討した。光照射にともなう可視吸収スペクトルと明度指数の変化から、Acid Blue 83の光退色は単純な脱色系ではなく、暗色化をへて退色する変色系であることが明らかになった。光照射による変退色を識別できたのは、1×10^<-5>mol・dm^<-3>の低濃度溶液では、30時間照射の退色率25%、濃度差0.25×10^<-5>mol・dm^<-3>、色差16であり、5×10^<-5>mol・dm^<-3>の高濃度溶液では、40時間照射の退色率8%、濃度差0.42×10^<-5>mol・dm^<-3>、色差10であった。脱色系を想定した場合、色の識別は色差2で可能であり、濃度差は0.1×10^<-5>mol・dm^<-3>であったが、実際の変色系では脱色系よりも閾値、濃度差ともに大きいことを見いだした。
色差の閾値に及ぼす色相の影響を検討するため、新たに取り上げた黄については、Acid Yellow 49の水溶液と羊毛染色布について、色差を識別する閾値とそれに対応する濃度差を求めた。溶液、染色布いずれも濃淡にかかわらず、色差が3を超えると色の違いを識別できること、この色差に対応する溶液の濃度差は、低濃度域では0.4×10^<-5>mol・dm^<-3>、高濃度域では20×10^<-5>mol・dm^<-3>であること、布の色差3に対する染着量差は、淡色布では0.02×10^<-3>mol・kg^<-1>、濃色布では1.7×10^<-3>mol・kg^<-1>であることがわかった。同じ色差を与えるために、高濃度溶液では低濃度溶液の50倍の色素が必要であること、濃色布では淡色布のおよそ80倍の色素が必要であること、これらの倍率は青と比較して5〜10倍程度大きいことを見いだした。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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