上記の研究課題のもとに、今年度は主として、 (1)エンプティ・ネスト期を自覚したことがあるかいなか、 (2)その時期はいつか、 (3)その理由またはきっかけはなにか、 (4)エンプティ・ネストを迎えたときの、親の心理的特性はどうか、などを調査した。 調査時期と方法: 時期 1998年11月25-12月10日 調査票配布方法 郵便による配布と返送 調査対象 奈良女子大学家政学部生活経営学科 第1期-第14期卒業生340名全数 調査票配布数 680(本人および配偶者または親の回答を求めた) 回収数 479 回収率 71.5% 単純集計結果:対象者の属性 40歳代が最多(20.9%)次いで30歳代、60歳代の順 男性 37%、女性63% 長子の年齢 10歳代約30%、30歳代約20% (1) エンプティ・ネストを自覚したことのある人は43.9%にとどまり、あまりない人が30.3%もいたが、この事実は調査対象者の年齢の若さを反映するものかもしれない。 (2) エンプティ・ネストを自覚した時期として、多かった回答は「末子の大学在学中」 「長子が就職する以前から」 「末子の結婚後」の順で、予想通り、統計学的にエンプティ・ネストが始まるとみなされる時期よりもかなり早いころからそれは自覚されるということが裏付けられた。 (3) 自覚の理由またはきっかけは、子供の離家(34.9%)または子供の結婚(34.0%)であり、必ずしも子供の結婚を待つことなく自覚が始まっていることがよみとれる。 (4) 自覚後の心理については、「寂しい」という回答は約30%で、エンプティ・ネスト後を積極的に生きるという回答がむしろ多数を占めた。
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