平成10年度のエンプティ・ネスト自覚に関する調査を踏まえて、平成11年度は、家族におけるエンプティ・ネスト期と人生の中年期との関連を追究するために、次に示すような実態調査を行った。 調査名 家族における「からの巣」期と人生における中年期に関する調査 調査時期 平成11年9月4日〜9月20日 調査方法 調査票郵送留め置き法 調査票配布教 160 (前年度調査のサンプルのなかから抽出) 有効回収数 58 (有効回収率36.2%) 調査から得られた主たる知見 (1)中年期自覚とエンプティ・ネスト期自覚は相互に密接に関連する。 (2)エンプティ・ネスト期における地位・役割の改編は性別によって異なる特徴を示す。すなわち、男性は父親という地位からの離脱の穴埋めを夫という地位の補強によって行おうとし、妻との関係を強化しようとするのに対して、女性は家族的脈絡を離れた社会関係の強化をはかる。 (3)中年期における地位・役割の改編についても、似た傾向がみられ、男性はそれまでのキャリアー・ラインに沿って改編を行おうとするのに対して、女性はそれまでのライフステージ内にあった関係とは異なる社会関係を見い出し、そこに新しい地位・役割関係を見い出そうとする。
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