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1999 年度 実績報告書

高齢化に伴う過疎山村の住生活と住文化の変容に関する地域特性研究 -九州山地と紀伊山地の過疎山村の比較調査検討-

研究課題

研究課題/領域番号 10680119
研究機関宮崎大学

研究代表者

米村 敦子  宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (10167041)

研究分担者 千森 督子  和歌山信愛女子短期大学, 助教授 (40290449)
キーワード高齢化 / 過疎山村 / 住生活 / 住文化 / 九州山地 / 紀伊山地
研究概要

本研究は、急速な過疎化・高齢化の進む九州山地と紀伊山地の過疎山村の比較検討を通して、各々に特徴的な山村の住まいと住生活及び住文化の変容の現状と地域特性を明らかにし、地域の風土に調和した高齢者の住環境整備と住文化の保全について検討するものである。初年度である前年度は基礎資料の収集と予備調査及び三重県紀和町(高齢化率45.5%、平成10年)(以下の高齢化率の数値も全て平成10年度)の木津呂地区の集落調査を実施した。本年度はそれに引き続き、九州山地では宮崎県西郷村(高齢化率33.7%)の山瀬集落及び宮崎県児湯郡西米良村(同34.8%)に散在する作小屋(さくごや)の調査、紀伊山地では奈良県吉野郡十津川村(同37.2%)の神下神山集落及び和歌県東牟婁郡北山村(同37.2%)の小松集落の調査を実施した。いずれの地域も急速な過疎化・高齢化が進み、空き家率が高く、集落の存続が危ぶまれるとともに、伝統的な住まいと住文化にも大きな変化と衰退の傾向が見いだされた。調査結果より各地域の特徴及び現状の概略は以下のようにまとめるられる。西郷村の山瀬集落は幾段にも重なる棚田群と築百年を越える伝統的住まいを有する段状集落であるが、過疎化・高齢化により空き家も多く、独自の夜神楽の伝統はすでに失われ、断片的に残るのみとなっている。西米良村の作小屋は同村に特徴的な山腹の生産のための住まいで、原初的な併列型の平面を有するが、生活内容の変化によって常住する小屋は減少し、空き家及び廃屋となっているものも多い。十津川村の神山神下集落は段状集落であり、石垣を積み、防風雨板を持つ伝統的な住まいも残され、モノレールを私設するところもあるが、廃屋が増えている。北山村の小松集落は地域特有の防風雨板「ガンギ」を持つ伝統的な住まいも残るが、過疎高齢化が進み、地域の行事や相互扶助も次第に難しくなって、集落の将来への不安感が強い。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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