研究概要 |
同和地域における生活再生プログラムの評価に関して,今年度は2つの実態調査を行った.1つは居住関連に関する評価のための面接調査で,改良住宅建替事業(島団地再生事業)の住宅に入居した第1期入居者を対象として,生活と住まい方の変化,新しい住宅・住環境等への評価,ワークショップの経験に対する評価等に関する調査と,入居予定者(第4期分)を対象して生活歴,生活実態,住まい方等に関する調査(ワークショップでの参与観察を含む)とを実施した. もう1つは,生活再生における家政面での支援としての在宅福祉サービスについて,生活保護世帯(世帯主45歳以上)を対象して,生活保護ワーカーの記入により調査を実施した.とくに介護保険制度の導入下でこの種の支援がどのように変化するかという視点を入れながら,これまでの処遇計画の立て方とともに,生活保護ワーカーによる訪問活動の優先のあり方を事例調査を補足することによって評価した.また現在当該市で実施されている高齢者サービス調整チーム会議において,生活保護世帯の在宅福祉支援のあり方を事例を提供しながら検討を加えることによって,チームメンバーによる生活再生のプラン作成の方法を模索した. 後者の調査結果の一端として,とくに中年層の生活保護世帯の生活再生において,福祉的な就労を含め仕事を提供しながら,社会と結びつきをとった生活再生の支援方法の必要性が明確となり,その点での支援プログラムの不足が指摘された.来年度はその支援方法に関する調査研究が重要な課題となることが確認された.
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