研究概要 |
平成11年度は,室内気中クロルピリホス・ペルメトリンの環境モニタリング手法として,パッシブサンプラーの検討を追加して行い、捕集剤にAmberlite^<【○!R】>XAD^<【○!R】>-2(Supelpack^<TM>-2,SUPELCO)を用いるパッシブサンプラーを調製することができた。そこで,実際の家屋・居住者を対象に,10年度に検討した手法とともにクロルピリホス・ペルメトリンの環境モニタリングおよび暴露モニタリング(生物学的モニタリング)を試行した。 その結果,1年ほど前にシロアリ防除を行った家屋では,クロルピリホスが空気中から76(1階)〜6874ng/m^3(床下)検出され,居住者からは尿中代謝物である3,5,6-トリクロロ-2-ピリジノールが2.5〜6.9μg/g・creatinine検出された。一方,家庭でくん煙剤(ペルメトリン含有)の処理を行った室内空気中からは20ng/m^3前後のペルメトリンが検出され,居住者からも尿中代謝物である3-フェノキシベンゾイックアシッドが1.3〜3.6μg/g・creatinine検出された。このように,今回検討したモニタリング法を用いれば,室内空気中化学物質の暴露と吸収に関してより多くの情報を得ることが可能となった。 その他に,HCHOやVOCsによる室内空気汚染の調査を行ったが,新築家屋ではこれらの濃度が高く,また,住人にも何らかの体の不具合を訴える割合が高く,新築家屋の空気環境には問題の多いことがうかがえた。 平成12年度は,若干の追加調査を行い,これまでの成果の取りまとめを行う予定である。
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