1982年(第1回調査)と1993年(第2回調査)について、調査対象者の「夫」「子ども」「夫の父」「夫の母」「父」「母」に対する情緒関係を「理解」と「頼り」の側面から分析検討した。 1. 1982年における「理解」では、「夫」と「子ども」が平均点2.25で最も高く、次いで「母」が2.19である。1993年では「夫」の平均点が2.29で最も高く、次いで「母」が2.22、「子ども」が2.18の順である。1982年と1993年の「理解」を比較すると、平均点が高くなったのは「夫」と「母」の2つの世代間で、それ以外の4つの世代間では平均点は低下している。 2. 「頼り」では82年、93年ともに「夫」の平均点が最も高く、次いで「子ども」の順である。また、82年では「夫の親」の平均点が高いのに対して、93年では対象者の「親」の平均点が高い。 3. 各世代間における「理解」を出生コーホート別に分析したところ、82年では「夫」と「夫の母」について、93年では「夫」と「子ども」について有意差がみられ、年長のコーホートほど「理解」の高得点者や中得点者の割合が高く、年下コーホートでは低得点者の割合が高い。とりわけ、93年の年下コーホートでは「夫の母」を「あまり理解していない」「ほとんど理解していない」という低得点者が30%を占めている。また、年下コーホートでは、子どもの「理解」低得点者の割合も大きく増加しており、93年には25.3%が「あまり理解していない」「ほとんど理解していない」と回答している。 4. 各世代間における「頼り」を、出生コーホート別に分析した。この結果、すべての世代間で高得点者の割合が低下しているが、なかでも親世代を「頼り」にする者は著しく減少している。また、年長コーホートでは「子ども」を「非常に頼りにしている」と回答した高得点者の割合は、82年の82%から93年の54.5%へと大幅に減少している。
|