研究課題/領域番号 |
10680137
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研究機関 | 大阪薫英女子短期大学 |
研究代表者 |
大浦 律子 大阪薫英女子短期大学, 生活科学科, 教授 (10149552)
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研究分担者 |
南後 守 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90109893)
徳田 順子 大阪薫英女子短期大学, 生活科学科, 助手 (40291877)
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キーワード | 過酸化水素 / 触媒 / ポルフィリン誘導体 / 色素 / 酵素 |
研究概要 |
高齢者の快適な生活を支援するための研究はまだ少ない。本研究では高齢者の生活特性から生じる汚れ物質を除去し、清潔で安全な生活の実現に向けて、殺菌作用をも併せ持つ漂白剤について、近年、大きな社会問題となっているダイオキシンの発生を伴わない過酸化水素の有効利用を検討した。その中で環境と人間に優しい条件で過酸化水素を利用するために天然物由来の酵素や、それらのモデル物質として種々の新規なポルフィリン誘導体の触媒効果を研究した。新規なポルフィリン誘導体としてはポリマー(ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミンなど)と結合したポルフィリン誘導体を合成した。それらを触媒としてpH8.0という温和な条件で過酸化水素による色素の漂白を行った結果、過酸化水素のみではほとんど色素の退色がみられなかったが、ポリマーと結合したポルフィリン誘導体存在下では色素の退色が促進された。ポルフィリンの骨格をフッ素化したポルフィリン誘導体よりも塩素化したポルフィリン誘導体のほうに大きな効果が認められた。また、過酸化水素の安全で安定的な供給のために、グルコースオキシダーゼに糖を作用させて過酸化水素を発生させる方法を試みた。その際の糖は、洗剤中に配合されるセルラーゼの有効利用を考え、セルラーゼによるセルロース分解生成物の利用により行った。この系により発生した過酸化水素の色素分解能を測定したところ、有効な触媒の利用によりpH8においてもすぐれた色素分解能が認められた。さらにこの系における除菌効果について研究を進める計画である。
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