研究課題/領域番号 |
10680141
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
村田 容常 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 助教授 (60210051)
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研究分担者 |
本間 清一 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (50017240)
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キーワード | transgenic plant / protein expression / Agrobacterium / tobacco |
研究概要 |
遺伝子組み換え食品が、わが国でも認可され始めたが、消費者の漠然たる不安感をぬぐいさるのは困難である。この不安感の一つに予期せぬ未知タンパク質の混入があげられる。実際には上市される組み換え体に対する個々の評価があればよいと考えられるが、ここでは、組み換えタバコ及びリンゴ植物体を取り上げ、予期せぬ新たなタンパク質がどの程度できるかをコントロールの植物体と比較し、安全性に対する基礎的知見を提供することを目的とする。具体的には、抗生物質を選択マーカーとして、植物の遺伝子組み換えに最もよく用いれれているAgrobacteriumを用い、組み換えタバコ及びリンゴを複数作製する。そして、それらの組み換え体とコントロールの再生植物体とを電気泳動によりDNA及びタンパク質レベルで比べ、新たなタンパク質がどの程度出現するか、また、しないかを調べる。 本年度はまず複数の組み換え植物体を作製した。pBl121(カナマイシン耐性およびGUSの遺伝子をマーカーとして持っている)を三親接合法によりAgrobacterium tumefaciensへ導入した後、リーフディスク法によりタバコ及びリンゴに感染させた。NAA及びBAを含むMS培地にカルベニシリン(Agrobacteriumを除く)とカナマイシンを加えた選択培地で数カ月培養を繰り返し、カナマイシン耐性(光照射し、カナマイシン存在下で生育する)を指標に組み換えタバコを選択した。その結果、安定して生育するカナマイシン耐性タバコを1株得た。この耐性植物をGUS活性で染色し(組み換え体では基質を加えると青く発色する)組み換え体であることを確認した。コントロール植物として非組み換え体の再生タバコも取得した。今後これら植物体の蛋白質を電気泳動で分析する。
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