研究課題/領域番号 |
10680149
|
研究機関 | 女子栄養大学 |
研究代表者 |
五明 紀春 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (30076153)
|
研究分担者 |
成瀬 克子 女子栄養大学, 栄養学部, 講師 (90076183)
三浦 理代 女子栄養大学, 栄養学部, 助教授 (30076202)
徳久 幸子 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (20076152)
|
研究概要 |
糖尿病・高血圧・骨粗鬆症治療食の新しい指針を作製することを目的とし、以下のことを行った。 1. 皿別調理品のα-アミラーゼ、α-グルコシダーゼに対する影響 (1) 試料の調製 A大学病院(神奈川県)の糖尿病食メニュー(1995)から、年間メニュー代表する78品目を選んだ。このレプリカ(1人前)を作製し、粉砕、上清を試料とした。 (2) α-アミラーゼを阻害する調理品の割合 魚調理品 9/22、肉調理品 12/19、卵調理品 2・3、豆調理品 5/6、野菜調理品 6/28であった。 (3) α-グルコシダーゼを阻害する調理品の割合 魚調理品 19/22、肉調理品 16/19、卵調理品 2/3、豆調理品 5/6、野菜調理品 27/28であった。 (4) 影響係数(a値)の重回帰分析 影響変数を目的変数、調理品構成材料の重量比を説明変数として、調理品群別に重回帰分析を行った。両酵素の阻害、活性化に対して相対的に寄与度の大きい材料因子の抽出を試みた。α-アミラーゼ阻害阻害因子として、魚調理品で唐辛子・香味材料、肉調理品で胡椒・醤油が抽出された。α-グルコシダーゼ阻害因子として、魚調理品で卵・味噌、肉調理品でししとう・ピーマンが抽出された。 2. α-グルコシダーゼ活性測定法の検討および阻害食品の検索 ブタ小腸由来とビール酵母由来の2種の酵素について、乳製品、豆類など61品目の影響を調べた。同じ食品でも、一方には阻害、他方には活性化を示すものもあった。唐辛子・オクラなど両酵素に強い阻害を示すものを見出した。 3. カルシウムの溶解性を向上する食品の検索 人工胃液、続いて人工腸液で処理すると、カルシウムは次第に不溶化し沈殿となる。共存により不溶化速度を遅らせる食品を検索した。牛乳・スキムミルク・グレープフルーツ・紅茶・醤油・味噌などについて調べた。牛乳・グレープフルーツに不溶化を遅らせ、溶解性及びイオン性カルシウム濃度を保つ効果があることを見出した。
|