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1998 年度 実績報告書

発酵過程で生成する新規抗酸化物質による大豆発酵食品の再評価および抗酸化食品の創製

研究課題

研究課題/領域番号 10680152
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

江崎 秀男  椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (90097642)

研究分担者 大澤 俊彦  名古屋大学, 農学部, 教授 (00115536)
川岸 舜朗  椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (50023445)
キーワード抗酸化物質 / 8-ヒドロキシダイゼイン / 8-ヒドロキシゲニステイン / 大豆発酵食品 / 味噌 / 醤油 / Aspergillus属
研究概要

各醸造メーカーより入手した様々な大豆発酵食品中の8-ヒドロキシダイゼイン(8-OHD)、8-ヒドロキシゲニステイン(8-OHG)含有量をHPLC法にて測定した。メーカーによってその含有量に差異は認められたが、原料大豆に直接に麹菌を接種した豆味噌、溜、醤油、濱納豆においてはいずれもその抗酸化性に寄与する十分量が存在した。しかし、米麹を用いた米味噌や小麦を主原料とした白醤油中にはほとんど検出されなかった。また、これらの強い抗酸化性を有するオルトジヒドロキシタイプのイソフラボン類は、味噌や醤油を100℃で30分間加熱したり、20℃で90日間保蔵しても、ほとんど分解されなかった。他方、実際に味噌玉の製麹を行い、通常の味噌玉麹(2日麹、48時間培養)および胞子着生の十分に進行した4日麹を用いて豆味噌の試作を行い、30℃で6ケ月間熟成させた。8-OHD、8-OHGは、胞子着生の始まった2日麹よりその生成が認められ、培養日数の経過とともに、それらの含有量も増加した。2日麹を用いた豆味噌の8-OHD含量は仕込み後も6ケ月間ほぼ一定の値を示したが、8-OHGは仕込み後の2ケ月間徐々に増加する傾向にあり、その後ほぼ一定の値を示した。また、4日麹を用いた味噌の8-OHD、8-OHGの変動もほぼ同様の傾向を示したが、それらの含有量は、2日麹味噌の約2倍であった。2日および4日麹味噌の抗酸化力は、ともに味噌の熟成につれて増大したが、4日麹味噌の方がその増強の度合は顕著であった。これらの結果より、8-OHD、8-OHGは、豆味噌の長期間にわたる発酵・熟成過程、また、保蔵期間においても、脂質の酸化や各種栄養成分の酸化的劣化を抑制するのに大いに貢献していると推察された。また、これらのイソフラボン類は、大豆を清酒、甘酒、焼酎等のAspergillus属で培養したバラ麹でも十分に産生されるものであったが、8-OHGについては、これを産生しない麹菌もあった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Esaki: "Potent Antioxidative Isoflavones Isolated from soybeans Fermented with Aspergillus saitoi" Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 62・4. 740-746 (1998)

  • [文献書誌] H.Esaki: "Formation Mechanism of Potent Antioxidative o-Dihydroxyisoflavones in Soybeans Fermented with Aspergillus saitoi" Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 63・5. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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