ハワイ在住日系アメリカ人・カリフォルニア在住日系アメリカ人および日本人の三者において食生活に関して比較を行うために、カリフォルニア在住日系アメリカ人の食生活調査を実施した。アンケート調査表は英語版および日本語版を準備し、一週間留め置き法を用いて毎日食べたものを記録してもらい、食品購買消費行動に関する情報も得られるように作成した。アンケート調査は、カリフォルニア州の北部地域および南部地域として、サクラメント市およびロサンゼルス市に在住の日系アメリカ人を対象に実施した。その結果、サクラメント市で27名分、ロサンゼルス市で24名分回収することができた。長寿を示すハワイ在住日系アメリカ人と日本人との食生活に関しては、これまでに行ったアンケート調査結果を活用して、SPSSを用いてデータ集計および統計解析を行い、食生活に関する諸点について平均寿命との相関性から考察を行った。 アンケート調査票の回収・調査データの入力と並行して、農林水産省食品流通局などの関係諸機関において、これまでに行われた消費者を対象としたアンケート調査結果などの関連資料を収集し、最近の食肉消費動向および消費者の食品購買消費行動について関連資料を分析した。その結果、近年、消費者は、食品の摂取に際して、安全性や健康によいかどうかを重要視することが明らかになった。また、一部の消費者は、実際の購買消費行動とは異なる、自分の理想とする食生活や購買消費行動についてアンケート調査に対して回答する傾向がある。 その結果、これから将来の日本人の食生活は、さまざまな主食と、単純なタンパク質源、とりわけ食肉摂取から構成されると予測された。したがって、タンパク質源としての畜産物および水産物の摂取頻度を保てるようにタンパク質源の多様性を維持し、豊富なメニュー選択を確保することがきわめて重要であることが示唆された。
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