研究課題/領域番号 |
10680175
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学
|
研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
長友 恒人 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (80031582)
|
研究分担者 |
早田 勉 株式会社古環境研究所, 前橋研究所, 所長
梶原 洋 東北福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (80161040)
平賀 章三 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (10031593)
SODA Tstomu Palaeoenvironment Research Institute Co., Ltd., Head
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | 光ルミネッセンス / 年代測定 / 微粒子法 / 石英粗粒子法 / 旧石器遺跡 / 遺跡文化層 |
研究概要 |
プレヒート条件、アニーリング・光ブリーチ条件の検討を行ったほか、微粒子試料および石英粗粒子試料によるOSL年代測定法をいくつかの遺跡文化層に適用した。以下に年代測定結果の特徴を示す。 1.TL年代測定の結果や考古学的年代と比較して有意なOSL年代値が得られた例: 宮城県中島山遺跡(中期旧石器時代)、福島県原セ笠張遺跡(前期・中期旧石器時代)、山形県袖原3遺跡SD-1層(前期旧石器時代)、広島県冠遺跡(後期旧石器時代) これらのうち原セ笠張遺跡ではTL法と比較した結果、二次堆積のテフラの熱的タイムゼロインクが不十分であることから、TL年代値よりOSL年代値の方が信頼性が高いことが明らかになった。 2.OSLデータが高線量で飽和ないし減衰の現象を示し、有意なOSL年代値が得られなかった例:宮城県上高森遺跡(前期旧石器時代)、山形県袖原3遺跡SD-2層(前期旧石器時代)、宮崎県上ノ原遺跡(縄文・後期旧石器時代) これらの測定ではOSL強度のばらつきが大きく、年代値が見かけ上若い年代を示した。 平成10、11年度の研究により以下のような成果があげられた。 1.微粒子法の試料処理法を確立し、OSL年代測定が可能となった。 2.熱的タイムゼロインクが不十分な遺跡文化層の土壌を試料とするOSL年代測定が可能となった。 3.前期旧石器時代から縄文にかけての8遺跡(上記の他、兵庫県藤江川添遺跡、熊本県実増遺跡)でOSL年代測定を実施した。 これにより、特殊な場合を除いてOSL年代測定法を遺跡文化層に適用できることが明らかになった。一方、石英粗粒子試料のOSL年代測定に関しては、OSL強度の線量依存性が試料によって異なり、統一的な解析ができないなど、解明すべき問題点があきらかになった。
|