研究課題/領域番号 |
10680177
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
長田 豊臣 立命館大学, 文学部, 教授 (00066664)
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研究分担者 |
赤間 亮 立命館大学, 理工学部, 助教授 (70212412)
稲葉 光行 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (80309096)
川嶋 将生 立命館大学, 文学部, 教授 (30204720)
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キーワード | マルチアングル撮影 / 無形文化財 / 動画映像資料 / 三次元動画 / 静止画資料 / 文字資料 / 京舞井上流 / 能楽 |
研究概要 |
本年度の研究実績は次の通りである。 1)昨年度に引続き、芸能・演劇資料のデジタルアーカイブ化、動画映像資料の媒体変換を行った。と同時に、データベースシステムの実験版が稼働し始めた。 2)三次元動画に関する調査を行ない、マルチアングル撮影を実際に無形文化財保有者と共同で行なった。一つは、京舞井上流の舞であり、一つは、能楽観世流の仕舞いである。さらに、もう一つの方法と考えられるモーションキャプチャシステムに関する理解を進めた。 3)動画・文字・文字資料・静止画像など、無形文化を記録した資料群のデータベース上でのリンクに関する実験を行なった。検索キーを単純化することで、さまざまなメディアが簡単に連動することがわかったが、むしろ連動によって生じる立体的な鑑賞環境は、予想以上に有効であり、報告の待たれるところである。 4)「技」の記録に於ける要素の抽出方法の共通認識を計るため、月2回の研究会を行なった。とくに、他ジャンルである、工芸や染織などの匠の世界に関する映像記録の鑑賞会を行ない、技は極めて記録しがたいものであるが、不十分な記録でおいてすら、全く映像記録が残らない(口頭伝承などの方法のみ)場合よりも格段の有効なイメージを形成できることが理解できた。 5)なお、無形文化の保存方法に関するサンプル提示の上では、デジタル資料の蓄積は今年度で十分にできたと思われるので、来年度は、その有効な活用についてさらにノウハウを開発、提示していきたい。
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