研究概要 |
本研究は,身の回りにある光現象を体得させ,新しい素材や製品を活用して,《光の性質》と《ものの光学的性質》ものと光の相互作用を系統的に理解させる学習教材,プログラムを開発することである. 平成10年度は,光り現象をあまり意識していなかった学習者に,われわれの身の回りには実に多くの光現象があることを理解させるための教材を中心に開発した.主な内容は,1)小学校〜高等学校でも容易に入手できる光源を用い,回折格子や偏光フィルムなど新素材を用いた実験教材を開発した.2)光学素材とコンピュータを用いて,光環境や振動現象の観測方法や光りセンサーを活用した物理実験教材の開発を行った.学会その他で発表した具体的な研究課題例は 1)《光と物質の相互作用》を理解させる偏光の実験.2)パソコンを活用した機械的振り子の過渡的振動状態の測定.第59回応用物理学会学術連合講演概要集.3)反磁性および常磁性ガラスを用いたファラデー効果視覚化装置の製作と演示実験.日本物理学会講演概要集.第53巻第2号993(1998).4)電磁作用で駆動制動した機械的振り子の過渡的振動状態.第14回日本物理教育学会東北支部研究発表会(1998).福島大学.5)瞬間マルチ測光システムを活用した磁性ガラスのファラデー効果測定装置.応用物理学会東北支部第53回学術講演会.講演予稿集129-130(1998).6)高濃度Tbガラスを用いたファラデー回転視覚化装置の製作とその応用.応用物理学会東北支部第53回学術講演会.講演予稿集131(1998).などである. 現在さらにパソコンを活用して光現象の基礎となる振動,波動現象を理解する教材などの開発も行っている.これらは,文部省フレンドシップ事業や青少年のためのサイエンスセミナーなど実践検討予定である.
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