滋賀大学教育学部附属環境教育湖沼実習センター事業「湖沼環境教育しがプロジェクト」(代表:研究代表者)の参加型プログラム「みんなでつくろう水環境マップ」を本格的に始動させた。本年度は、実施における基礎検討を行った後、小・中・高校の教職員、市民に参加を呼びかけ、1998年8月25日に、滋賀県内の河川一斉調査を実施した。237地点のサンプルが集積し、分析後、水環境マップを作成した。91名の参加を得た。教員や市民の本プロジェクトに対する関心は高く、地域やびわ湖の環境保全への高まりが感じられた。また、作成したマップは、センターニュースやホームページで公開しているが、地域の環境に対する意識を高める役割を果たしている。また、結果の一部は、情報教育と組み合わせて高校における環境学習に応用された。得たデータは、環境教育のみならず、びわ湖および集水域のこれからの水環境を考えていく上での重要な役割を果たすと思われる。 10項目以上の項目について、水質分析を行ったが、経験のない者には難しい面もあり、現在、化学薬品を使わない水質評価法の開発に取り組んでいる。さらに、河川環境に影響を与える因子を明からにする手法の基礎的研究を進めているが、本年度は、開発によって集水域が大きく変貌しつつある一河川を選び、土地利用、歴史、生活との関連から検討を行った。さらに、本研究で開発している参加型プログラムの手法をタイで応用するための基礎検討として、チェンマイ大学で環境教育に取り組んでいるグループにレビューを受けたが、高い評価を得、引き続き実施に向け検討を続けることになった。
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