研究概要 |
教育課程の改定に伴い,学校教育における考え方が教師主導から生徒主導の学習へと変化しつつある。そのため教育・学習システムも見直しが必要となっている。 本研究では,情報教育のみならず情報学習の形態をも考慮し,WWWによる情報検索を利用したマルチメディア教育情報提供サーバーを構築した。このとき,学校教育の中でインターネットを介した情報交換を行なう際には,教員が授業のための準備をするための情報収集と,実際の授業の中で生徒がインターネットを介して情報の収集・整理・発信・評価を行うためのマルチメディアデータベース利用を必要に応じて切替えることが重要となり,そのための環境も検討する必要がある。さらに,マルチメディアデータベースを提供するコンピュータシステムについては,大容量画像情報に関する圧縮手法の効果的な利用が必要であるとともに,利用者認証システムならびに利用者検索の適応的検索効率向上機構が必要となる。 本年度の研究ではこれらの問題に対して実際にマルチメディア対応教育情報データベースを構築し,特に利用者認証・検索適応機能を有するWWWサーバーについて考察し,さらに利用者検索適応機能に関するソフトウェアについて研究した。学校教育においては,授業進行の状況に応じて,時期的に検索対象ファイルが特定化される性質がある。これを考慮し,時期的な検索特性を把握するソフトウェアを開発した。さらに,そのリストを自動的に表現して,授業中に生徒が検索する頻度の高い項目を先頭に配置替えする機構を開発した。これにより利用者の検索状況に適応的に追従する知的WebPage自動作成機構を構成することができた。
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