研究概要 |
国際的に通用するエンジニア教育課程における基礎物理教育の目標は,「物理学とそれに密接に関連する数学および工学知識を応用できる能力」の育成であるという立場で,本年度は基礎物理教育,基礎数学教育,基礎工学教育の関連付けを重視した実際的研究を主として実施し,具体的には 1.工学への応用を重視した物理教育課程の研究とモデル教材の作成:工業高校用教科書の調査,企業の開発部門(旭化成)の訪問,物理の一般向けだが本格的な解説書(「物理はこんなに面白い」)の執筆,購入した物理実験教材の講義での演示実験での使用などの基礎作業に基づいて,「身近に経験する物理的現象や工業技研に応用されている物理現象を多く取り入れ,ストーリーラインのある」,学生の関心を引きつけるような基礎物理教育コースのモデルの作成を行い,本体をほぼ完成させた. 2.工学への応用を重視した数学教育課程とモデル教材の作成:情報分野での応用を念頭に置いた「離散数学」の2単位分の教材を作成し,「物理現象を題材にした解析的数学」の教材モジュールの作成を行なった. 3.作成した教材のホームページでの公開による共有化および学生が教材にインターネットでアクセスして自学自習することを可能にする研究:作成した基礎物理教育コースのWEB-TEXT化のために,中部大学のNEPと協力して,PDFファイル化を目指して作業を進めた.
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