1.環境インターンシップのパイロットプログラムを作成し、大学の環境教育の一環として、学生、受け入れ機関、教員の三者にとって意義のあるプログラムを実施した。終了後学生のインタビュー調査も行い、プログラムの有効性や問題点、今後の課題について検討した。 2.生物多様性の保全を目的とし、日本の大学生を対象とした実践的な環境教育プログラムを国際的なフィールド教育機関であるSFS(School for Field Studies)と共同開発し、そのパイロットプログラムをオーストラリアのケアンズの世界遺産に登録されている熱帯雨林で18日間実施した。熱帯雨林の復元をプログラムのテーマとし、その内容は主に、英語による講義、フィールド見学、フィールド調査、熱帯雨林の復元活動から構成されている。具体的には、1)熱帯雨林の生物多様性や生態系の特性について現地体験を通じて学び、2)熱帯雨林の減少と断片化の現状と問題点、熱帯雨林をめぐる問題の複雑さを把握するための学際的アプローチ、3)熱帯雨林を復元することの社会的および生態学的意義の理解、4)植林手法、植林地での生育調査や保全技術の習得、5)地域社会とのパートナーシップによる熱帯雨林の復元活動を主な内容とした。プログラムの評価はプログラムに参加した日本の大学教員、SFSの教員、参加学生を対象に行った。その結果、本プログラムは新たな教育の機会を提供し、学生が現実の問題や課題と向き合うことにより実践的な問題解決策を探ることができ、キャンパスでの講義中心の教育を補完し、フィードバックできる教育内容であると結論された。
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