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1998 年度 実績報告書

環境保全に役立つケナフの教材化に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10680199
研究機関中村学園大学

研究代表者

宮田 奈美子  中村学園大学, 家政学部・児童学科, 教授 (30069778)

研究分担者 古賀 民穂  中村学園大学, 短期大学部・食物栄養科, 教授 (20069785)
キーワード環境教育 / 理科教育 / ケナフ / 酸性雨 / 土壌および水耕栽培 / 硝酸栽培液 / ケナフ種子の脂肪 / 脂肪酸組成
研究概要

1) 環境教育および理科教育へ、ケナフを教材として活用する目的でケナフを,土壌および酸性雨のモデルの一つとして,pHの異なる酸性栽培液を使った水耕栽培を行い、下記のような結果を得た.
(1) 土壌におけるケナフの栽培と観察:3種類のケナフ青皮3号,浙江1号,Evereglades 41を播種して,栽培した.茎の色は青皮は緑であったが,浙江とEveregladesは部分的に赤色になった.葉の形はそれぞれ異なり,青皮が深く7裂,浙江は卵型,Evergladesは,浅く5裂した.開花時期は,青皮が最も早く,次に浙江最後がEveregladesであった.成長も茎長,茎重については,Evereglades>浙江>青皮の順であった.
(2) 発芽実験:硝酸栽培液pH3.0-6.0における発芽率はケナフ(98%)>セイヨウタンポポ(73%)>タカナ(63%)>ホウレンソウ(アトラス,60%)>ホウレンソウ(西洋大葉,45%)>ホウレンソウ(オータム,18%)で,発芽の段階でも,酸性に非常に強いことが分かった.
(3) 水耕栽培と観察:pHの異なる酸性栽培液を使った水耕栽培ではpH4.0が最も成長が大きがった.硝酸溶液の水耕栽培では,pH3.0,4.0,水(pH6.2)において,新しく栽培液を入れてから,水素イオン濃度はそれぞれ約1/4,1/25,1/2に低下した後,5-6日頃からもとの水素イオン濃度に近ずくが,若干高くなった.このことは,根による水素イオンの吸収・放出が行われていることを示す.水耕栽培でも,土壌の場合と同様に,栽培は容易で教材として十分有用である.
2) ケナフの種子の油脂の研究では,青皮3号の種子が脂肪量約19%で,半乾性油であった.脂肪酸組成は,パルミチン酸17%,オレイン酸27%,リノール酸50%,α-リノレン酸0.8%で,リン脂質の含量が高かった.以上の油脂の性質は綿実油に非常に類似し,綿実油と同様な食用油としての利用が考えられる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 宮田奈美子,安河内広美: "ケナフ(Hibiscus cannabinus L.)に関する研究-環境教育および理科教育へのケナフの活用について-" 中村学園研究紀要. 30. 41-49 (1998)

  • [文献書誌] 宮田奈美子: "成長期間の異なるケナフ(Hibiscus cannabinus L.)のセルロース教材の物理的・化学的性質" 繊維学会予稿集. G-55 (1998)

  • [文献書誌] 古賀民穂,宮田奈美子他: "キューバケナフ(Hibiscus cannabinus L.)の種子中の油脂について" 日本食品科学工学会大会講演集. 176 (1998)

  • [文献書誌] 宮田奈美子,小山奈美: "ケナフ(Hibiscus cannabinus L.)に関する研究-環境教育および理科教育の一環としてのケナフの水耕栽培とその性質-" 中村学園研究紀要. 31. 211-221 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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