• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

環境保全に役立つケナフの教材化に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10680199
研究機関中村学園大学

研究代表者

宮田 奈美子  中村学園大学, 家政学部・児童学科, 教授 (30069778)

研究分担者 古賀 民穂  中村学園大学, 短期大学部・食物栄養科, 教授 (20069785)
キーワード環境教育 / 理科教育 / ケナフ花弁色素 / 酸・アルカリ指示薬 / 食廃油吸着材 / ケナフ種子油 / ステロール組成 / トコフェロール組成
研究概要

1)理科教育および環境教育へ,ケナフの美しい花の色素を教材として活用する目的で,花弁の外側の黄白色色素と内側の赤色色素について検討して,下記の結果を得た。
(1)ケナフ外側黄白色の色素はフラボン系色素で,内側赤色色素はアントシアンとフラボン系色素であることが分かった。(2)色素抽出方法は,水煮沸か,エタノール抽出が抽出後の色の変化が少なく最も良かった。(3)ケナフ内側赤色色素水溶液については,酸性(pH1〜4)では赤〜ピンク,中性(pH7)では青緑,アルカリ性(pH9〜14)では暗視色〜緑〜黄緑〜黄褐色であった。また,ケナフ外側黄色色素水溶液については,酸性度が増すにつれて。薄い黄色になり,アルカリ性が増すにつれて濃い黄色になった。以上のことからケナフ花弁の赤と黄色の色素は,理科教育および環境教育における酸・アルカリの指示薬として使用出来ることが分かった。
2)ケナフを靭皮部と芯部に分け,解繊した繊維を300〜350℃で短時間加熱処理して製造した油吸着材の食廃油吸着能は非常によかった。これはケナフのへミセルロースとセルロースが部分的に熱分解して,その比表面積と官能基が変化したためであろう。
3)ケナフの3品種(Qingpi No.3くMyanmar>,Zhejiang NO.1,Everglades41)の種子油の一般性状を検討した。品種間の著しい差はほとんど認められなった。脂肪量は約20g/100gで、半乾性油であった。脂肪酸組成は綿実油に類似したものであった。また,スチロール組成は約73%がβ-シトステロールで,トコフェロール組成は,約22.3%で他の植物油よりも低く,その組成は生理活性の高いα-Tocが約46%、抗酸化性の強いγ-Tocが約53%で,綿実油と類似した組成であった。油脂量が約20%と比較的高く,収穫量も多いことから食用油としての利用が考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 宮田 奈美子,原 美保子: "理科教育および環境教育におけるケナフ(Hibiscus Cannabinus L.)の花弁色素の活用"中村学園研究紀要. 32. 147-154 (2000)

  • [文献書誌] 宮田 奈美子: "Oil Sorbency of Sorbents Prepared from Kenaf(Hibiscus Cannabinus L.)Piants"Senn'I Gakkaisi. 55. 576-583 (1999)

  • [文献書誌] 宮田 奈美子: "Hygroscopicity and State of Hygroscopic Water of Cellulosic Matrerials Obtained from Kenaf(Hibiscus Cannabinus L.)"The 5th Asian Textile Conference Proceeding 2. 1218-1222 (1999)

  • [文献書誌] 古賀民穂,宮田奈美子,石井利直,太田英明: "Chemical Composition of Kenaf(Hibiscus Cannabinus L.)Seed Oil Seoul,Korea"The 8th Asian Congress of Nutrition. 305 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi