研究概要 |
1)3種類のケナフ(中国種青皮3号,浙江1号,米国産Everglades41)の栽培観察,二酸化炭素の吸収能,茎の性質および葉の栄養成分などを調べて,環境教育および理科教育へ活用しようと試みた.(1)発芽率は,青皮3号が60〜100%,浙江1号が70〜90%,Everglades41が10〜90%であった.(2)茎長,茎の直径および茎重の大きさは,Everglades41>浙江1号>青皮3号の順序で,ケナフの花の開花の順序は,青皮3号>浙江1号>Everglades41で,この順序で熟成が早いことが分かる.(3)葉の形は,青皮3号は7裂,浙江1号は7裂と楕円状の混合,Everglades41はごく浅く5裂である.側根の多さの順序はEverglades41>浙江1号>青皮3号で,茎長,茎の直径および茎重と対応していた.(4)各種ケナフの茎の灰分量,温水抽出量,アルカリ抽出量およびホロセルロース含量は,靭皮のほうがコアより多かった.ケナフの栄養成分はモロヘイヤに近かった.(5)ケナフの見かけの二酸化炭素吸収速度も大きかった. ケナフは,1年を通じて教材に出来るので,環境教育,理科教育および総合教育の教材として、これを活用することは,児童,生徒にとって大きな意義があると言えよう. 2)ケナフ系吸着材(ケナフ靭皮部と芯部から解繊した繊維、漂白ケナフパルプ,200〜500℃で短時間加熱処理して製造した吸着材)による排水中の汚染物吸着能をコットン,木材パルプおよび市販活性炭などの吸着材と比較検討した.吸着能はケナフを加熱処理した吸着剤および解繊ケナフ>市販活性炭>ケナフパルプ>木材パルプ>コットンの順序であった. 以上のことから,ケナフ系吸着材として,解繊ケナフは金属イオン(Cu^<2+>およびCd^<2+>)の吸着材として有用であり,加熱処理したケナフは染料の吸着材としても良いことが分かった.
|